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Ep.1「解決する」の英語表現

この記事はショートストーリーと日本語解説の2部構成です。

Episode.1  In the Empty Room

10-year-old Jack and his older sister Nancy found themselves trapped in a room with a monitor, where the quizzes appear. Seemingly, they have to answer them using their knowledge, intelligence and vocabulary.

In-the-Room-Ep.1-1

Jack: “OK, it should begin with—”

Nancy: “Stop! See this.”

In-the-Room-Ep.1-2

“Alright. So, tell me why am I stuck in this huge white room with nothing but my big sister??”

“I wish I knew that, little Jack. And just so you know, there is a monitor, a pen, a blackboard—.”

“Gaaah!”

In-the-Room-Ep.1-3

“He eventually figured something out, so I think it’s like, ‘put together,’ or—”

“Wait, why do we have to answer this? And where is this place? Why are we here?”

In-the-Room-Ep.1-4

“Think of some words or phrases that have a similar meaning to ‘put together.’”

“You should answer my question before I answer yours.”

“I said I don’t know. But when is it ever good not to answer the questions those who trapped you are asking?”

“… Never.”

In-the-Room-Ep.1-5

“Here are the synonyms I can imagine, but none of them fits in the blanks.”

“—How about using ‘connect’ instead of ‘connection’?”

In-the-Room-Ep.1-6

“And I think the second one is ‘dots,’ like, ‘Connect the Dots’ games.”

In-the-Room-Ep.1-7

“Hmm. You’re smarter than you’ve ever been.”

“I’m already smarter than you’ll ever be.”

“……”

In-the-Room-Ep.1-8

“There you go!”

“Well, can we get out of this room now?”

In-the-Room-Ep.1-9
“What the—”

【解説】「解決する」の英語表現

日本語の「解決する」の類義表現って多いですよね。「解く」「解明する」「真相にたどり着く」「紐解く」「究明する」…

英語でも多いです。solve とか resolve とか figure out とか…。

頭に入りきる量ではないし、たとえ詰め込めたとしても、どうせ肝心なときに取り出せなくなっています。脳内はもはや図書館ではなく、ゴミ屋敷です。

そんなゴミ屋敷を片付けるために、調べて出てきた類義語を分類しようと思ったのですが、これが結構難しいです。あのChatGPTに依頼しても、毎回微妙に違う分け方をしてきます。このAIに一貫性を求めてはいけないのでしょうか。

そんな中でも頑張ってまとめてみたのでご覧ください。異論は認めます。難しい単語は編集中に忽然と消えてしまいましたが、句動詞とイディオムは残っていました。

【リスト】「解決する」の関連表現

1. 分析・捜査・思考などにより解決する

2. 議論により解決する

3. 見つけ出す・解明する

4. 事象同士をつなげて理解する

ご覧のとおり、あまり綺麗に分けることができないんですよね。figure out と solve は違うものですし、clarify と get to the bottom of を一緒にまとめていいのか、というのも微妙なところです。

これが語学の面白いところなのかもしれませんが、理系に染まった脳みそは拒否反応を示しています。

 

とりあえず、それぞれの細かな違いを調べてみることにします。

調査したトピック

  1. figure out・work out・solve・crack の違い
  2. resolve・settle・iron out の違い
  3. clarify・clear out・uncover・get to the bottom of の違い
  4. put together・connect the dots・see the bigger picture の違い
  5. put two and two together について

1. figure out・work out・solve・crack の違い

大きく2つに分けることができます。

・figure out / work out

・solve / crack

この違いを一言で表すなら、「明確な解決策があるか」でしょうか。

決まった解法(solution)に従うのが solve で、解法が定まっていないものを理解するのが figure out。こうすれば、よくある「solve が数学とか学術的でフォーマル、 figure out がインフォーマル」という説明も納得できるかもしれません。

この違いがよくわかる一文を見つけました。

“My results indicate that those students who were initially unable to solve the problem were then able to figure out how to solve similar types of problems through a combination of trial and error and class discussion.”

— Aime A Levesque et al. (2011) 

この場合、figure out が「解法を見つけだす」で、solve が「解法にしたがって解く」ですね。解法は一つか二つに定まっていても、その解法を探すプロセスに唯一の正解はないですから。

一方で work out は figure out と比べ、より解決する過程の努力に主眼をおいています。 work という単語のイメージ通りでしょう。

また、crack は solve よりも難しい問題に対して使われるようです。しかし、HiNativeなどで検索しても、この違いを意識している人はほとんどいない模様。表現の手段が多いのは良いことではありますが、英語学習者からすればただのお荷物です。

2. resolve・settle・iron out の違い

そもそも iron out に「解決する」という意味があること自体不思議です。会議にアイロンを持っていっても、整えるシャツはありません。

真面目な話をすると、「アイロンをかけてシワを伸ばす」から「誤解や障害を円滑にする」という意味に転じたようです。それもあってか、 resolve や settle と比べると解決するプロセスを意識しているイメージです。

あとは resolve と settle の違いですね。どちらも「議論により対立を解消する」という意味ですが、resolve根本的な解決を指すのに対し、settle だと解決策が一時的な場合も含むようです。

この違いがわかる文を探してみましたが、ChatGPTに作ってもらう方が早いことに気づいてしまいました。

“The two parties were able to settle their dispute through a mutual agreement, but they did not fully resolve the underlying issues, which continued to cause tension between them.”

— ChatGPT

この場合の settle は、「一応解決はしたけど根本的な問題には対処していない」という感じですね。

3. clarify・clear out・uncover・get to the bottom of の違い

clarify、clear out、uncover はどれも「明確にする」と訳せますが、clarify は、不明瞭なものや不確定なものを明らかにするイメージ。頭の中のもやが晴れる感じでしょうか。

clear outuncover はそれぞれ「障害を取り除く」と「覆いを外す」。同じような気がしますが、前者が取り除く動作に主眼を置いているのに対し、後者は覆われていた対象がメインです。

最後の get to the bottom of は、根底にある真実を探して見つけるイメージです。clear out とも uncover とも似ている気がしてしまいますが、「真実を覆っているものを障害とみなすかどうか」が違うのでしょう。

だんだんと区別が曖昧になってきましたね。「そういうものだ」と言い聞かせて settle することにします。

4. put together・connect the dots・see the bigger picture の違い

簡単なものから見ていきましょう。connect the dots はそのまま「点同士をつなぐ」。これでも意味は通じると思いますが、言い換えると「事象や情報同士の関連を見つける」です。draw the connection も同じでしょう。

put together は事象や情報をつなぐだけでなく、集めたり分類したり全体像を作り上げたりする段階も含みます。物理的に何かを集める場合にも使われます。

see the bigger picture は「全体像を捉える」です。connect the dots したり put together したりして作り上げた全体像を理解するイメージですね。

connect-the-dots-games

ちなみに、今回のエピソードにある “Connect the Dots” というゲームはこんな感じらしいです。鉛筆を持ちはじめたくらいの子供が好んで遊びそうな感じですね。まさに「点をつなぐことで全体像が見える」を体現しています。

補足ですが、draw the connection 以外に see the connection という言い方もあります。draw が能動的につなぐのに対し、see は受動的につながりを理解する、という微妙な違いがあるようです。まあ、さすがにここまで意識して使う人はほとんどいないでしょう。

そろそろ読むのに疲れて眠くなる頃でしょうか、と釘を刺したところで、最後のトピックです。

5. put two and two together について

put together ではありません。put two and two together、すなわち 2+2 です。

意味は「すでにある情報をつなげて推論し結論を出す」。connect the dots と同じではないか、とも思いましたが、つなげる情報が2つである点が違うようです。

後ろに and make four がつくこともあります。なぜ「1+1=2」ではなく「2+2=4」なのかは分かりませんでしたが、そこから転じて「簡単な推論をする」というニュアンスも含みます。

こんな文も見つけました。

“He’s inclined to put two and two together and make five.”

— from sentencedict.com

この文では make “five” すなわち「簡単な推論で間違える」という意味になっています。たとえ 1+1 を 1 にしたエジソンでも、2+2 を 5 にすることはできませんでした。これができる人は、エジソンを上回る天才か、凡庸な幼稚園児のどちらかでしょう。

おわりに

いかがでしょうか。それぞれの表現の違いやニュアンスに関しては、あくまで調べた結果の個人的な解釈なので、事実とは異なるものも含まれるかもしれません。あくまでも参考程度にすることをおすすめします。

また、事実と相違ないものであっても、この細かな情報が役立つ機会は多くはないでしょう。無理に覚えようとせず、頭の本棚に空きがあれば入れてみる、そのくらいでちょうどいいかもしれません。

最後に、“connect the dots” に関連して、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での有名なスピーチを貼っておきます。日本語字幕がとっても面白いのですが、なぜか途中からなくなってしまうのが惜しいです。

“You can’t connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards.”

“So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.”

— Steve Jobs

名言ですね。この記事に書いた内容も、いつか誰かの役に立つと信じることにします。

著者Twitterはこちら↓

参考文献・Webサイト

Aime A Levesque et al. (2011) Using Clickers to Facilitate Development of Problem-Solving Skills

Cambridge Dictionary (https://dictionary.cambridge.org/)

Collins Dictionary (https://www.collinsdictionary.com/)

Longman Dictionary of Contemporary English (https://www.ldoceonline.com/)

Merriam-Webster (https://www.merriam-webster.com/)

The Free Dictionary (https://idioms.thefreedictionary.com/)

Oxford Learner’s Dictionaries (https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/)

Thesaurus.com (https://www.thesaurus.com/)

Thesaurus.plus (https://thesaurus.plus/)

Wikitionary (https://en.wiktionary.org/)

Online Etymology Dictionary (https://www.etymonline.com/)

Corpus of Contemporary American English (https://www.english-corpora.org/coca/)

Grammarist.com (https://grammarist.com/)

Sentencedict.com (https://sentencedict.com/)

英辞郎 on the Web (https://eow.alc.co.jp/)

Weblio英和辞典 (https://ejje.weblio.jp/)

HiNative (https://hinative.com/)

DMM英会話 なんてuKnow? (https://eikaiwa.dmm.com/uknow/)

使用ツール

ChatGPT (​​https://chat.openai.com/)

Perplexity AI (https://www.perplexity.ai/)

Concsensus.app (https://consensus.app/)