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Ep.4「正直」の英語表現

この記事はショートストーリーと日本語解説の2部構成です。

Episode.4  Mr. Monitor

10-year-old Jack and his older sister Nancy found themselves trapped in a room with a monitor, where the quizzes appear. Seemingly, they have to answer them using their knowledge, intelligence and vocabulary.

In-the-Room-Ep.4-1

Nancy: “I believe the first one is ‘call,’ what do you think?

Jack: “I guess so.

In-the-Room-Ep.4-2

Suppose that’s correct. Then, the real problem is the second one. I know that means ‘say it like it is,’ but—

But what? It’s definitely ‘spade’ because she’s the honest one.

In-the-Room-Ep.4-3

Here it is, Mr. Monitor!

Wait.

In-the-Room-Ep.4-4

What? You think she calls a spade a club? Even dogs can tell the diff—

No. But you can’t give a correct answer when you don’t know what this ‘spade’ means exactly.

Ah, you mean the digging tool.

Yep.

In-the-Room-Ep.4-5

Shovels, scoops, spuds, trowels… ‘Spade’ has many alternative terms.

Then what’s the correct answer?

Well…

In-the-Room-Ep.4-6

None of them makes sense because I’ve heard there’s a slight difference between them.

Like what?

Their size, or shape… I don’t really remember that, but otherwise this simple tool wouldn’t have many terms.

Hmm… Maybe you got the point.

It’s settled then. ‘Call a spade a spade,’ Mr. Monitor!

In-the-Room-Ep.4-7

Hehehe. I think these questions are meant to prove that I’m smarter than you.

…Let’s move on to the next.

In-the-Room-Ep.5-1

【解説】「正直」の英語表現

「正直者が馬鹿を見る」と日本では言いますが、英語でも “Honesty doesn’t pay.” なんて言ったりします。正直でいると損をすることが本当に多いのかは知りませんが、もし損をした場合の心理的ダメージはかなり大きいものでしょう。そんな中、古代人がこのことわざを作って広めようとしたのは、個人の絶望を皆で共有して薄めたかったからではないでしょうか。現代人がTwitterで愚痴るのと全く変わりません。

「正直に言うと」というフレーズもよく耳にします。英語だと honestly とか to be honest とか言いますが、この後に続く言葉はたいてい、相手の気分を害するものです。「正直、その服は似合ってないと思う」とか、 “To be honest, I never liked you.” とか。そんなに正直に言わないでくれよ、と思った記憶がない幸せな人は、産まれたてのベイビーか認知症のご老人くらいでしょう。

本題に戻ります。「正直」に関連するフレーズを挙げてみました。

【リスト】「正直」の英語表現

正直な・率直な

正直に言う

正直に

正直者

個人的に気になったものをいくつか取り上げて調べることにします。

1. on the level/square

どちらも「正直な」という意味を持っています。

on the square の方は、どうやらフリーメイソン会員を表す隠語でもあるようです。陰謀論で頻繁に首謀者とされているこの正体不明な秘密結社については、Wikipedia の冗長なページにその詳細が記されています。何をしている団体なのか、というのは結局分かりませんでしたが。

2. aboveboard

公明正大な」です。

カジノなどで賭け事をする際に、不正をしないよう手をテーブルの上においておくことが由来のようです。対義語は underhand「不正な」。

もしカジノで不正をするとしたら、怪しまれないよう卓上で堂々と手際よく済ますのが良いでしょう。とはいえディーラーもプロなので、手品師並みのスキルが要求されるかもしれません。「絶対に見破られない不正マジシャン」VS「絶対にイカサマを見抜くディーラー」とか気になりますね。私はマジシャンの方にベットしておきます。

3. call a spade a spade

正直に言う」です。

今回のストーリーの主役です。この spade は「クローバーじゃない方」ではなく、農業等で使われる「鋤」です。shovel との違いは形状にあるようです。先が尖っている方が shovel で、四角い形をしている方が spade だそうです。

ちなみに、call a spade a shovel というフレーズもあります。意味は call a spade a spade と同じで、shovel の方が強調された言い回しのようです。

しかし、先述のとおり spade と shovel は厳密には別物です。「正直に述べる」ではなく「素人には分からない嘘をつく」の方が適切ではないでしょうか。

4. lay it on the line

直訳だと「その線の上に置く」ですが、意味は「率直に言う」です。他に lay something on the line で「〜を危険にさらす」という意味にもなります。

この line が何を指しているのかは不明ですが、「越えてはいけない一線」とすれば、この意味も腑に落ちるのではないでしょうか。「導火線」でもいいかもしれません。「埼京線」に置くのはやめておきましょう。また遅延してしまいます。

5. pull no punches

pull punches「パンチを引く」すなわち「手加減する」の否定形で、「手加減せずに痛烈な物言いをする」という意味になります。日本語の「歯に衣着せぬ」に近いでしょうか。

由来はボクシングです。球技や陸上・水泳などでは手加減を侮辱と捉える選手やサポーターも多いでしょうが、闘技はどうでしょう。手加減をしないが故に相手に怪我をさせてしまい、“You should’ve pulled your punch.” と非難される選手もいるのかもしれません。

6. straight from the shoulder

率直に」です。由来は見てのとおり、ストレートパンチです。米国人はボクシングがよっぽどお好きなのでしょう。

血闘を好まない日本人にとっては、ボクシングより野球の方がイメージしやすいでしょう。

「160キロ超えのデッドボール」

「スパイク裏で刺しにくるランナー」

「メジャー打点王の弾丸ピッチャー返し」

相手を傷つけてしまうほど率直すぎる、というニュアンスが伝わりましたでしょうか。

7. without reserve

正直に」「率直に」と訳せます。

例えば、a customer who speaks without reserve とは「予約なしで現れて怒鳴り散らかす厄介な客」ではなく、「お世辞の一つも言えない非常識な客」です。

reserve の原義「取っておく」から考えるといいでしょう。自分のために座席や部屋を取っておくのが「予約」で、率直な意見を心の中に取っておくのが「遠慮」ですね。

8. straight/square shooter

正直者」です。straight shooter「真っ直ぐに撃つ人」の方は、言葉のイメージ通りでしょう。

square shooter はどうでしょう。「正方形に撃つ人」では意味不明です。実は square 自体に「正直な」「公正な」という意味があります。セオドアの方のルーズベルト大統領が実行した資本統制政策は “Square Deal”(直訳:公平な扱い)と呼ばれているようです。

おわりに

今回挙げたフレーズには、「率直すぎて相手を不快にさせる」というニュアンスを含むものが多かった気がします。発言した側も正直に言ったことを後悔し落ち込んでしまう、みたいなシチュエーションも容易に想像できますね。

そうして萎縮してしまった人のためにも、古代人はことわざを残してくれています。

「正直は一生の宝」

「正直の頭に神宿る」

少しは気持ちが回復しましたでしょうか。

 

最後に、米国で倫理研究所を設立した弁護士の格言を置いておきます。

Honesty doesn’t always pay, but dishonesty always costs.

— Michael Josephson

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参考Webサイト

Merriam-Webster (https://www.merriam-webster.com/)

Cambridge Dictionary (https://dictionary.cambridge.org/)

Collins Dictionary (https://www.collinsdictionary.com/)

The Free Dictionary (https://idioms.thefreedictionary.com/)

Thesaurus.com (https://www.thesaurus.com/)

Classic Thesaurus (https://www.classicthesaurus.com/)

Wikitionary (https://en.wiktionary.org/)

Online Etymology Dictionary (https://www.etymonline.com/)

Grammarist.com (https://grammarist.com/)

Wikipedia (https://en.wikipedia.org/)

英辞郎 on the Web (https://eow.alc.co.jp/)

Weblio英和辞典 (https://ejje.weblio.jp/)

Goodreads.com (https://www.goodreads.com/quotes/)

A-Z Quotes (https://www.azquotes.com/)

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ChatGPT (​​https://chat.openai.com/)